キリガヤ・メソッドとは

2000年10月、ロサンゼルス在住のボイストレーナー、フローレンス・リッグス(Florence Riggs)から「声帯をコントロールして発声する」という非常に論理的なLAスタイル・ボイストレーニング法を習得しました。そしてそれまで約15年間、私がヴォーカル・トレーナーとしてシンガーを指導してきた経験とフローレンスの発声理論を融合させることによって日本人の発声特性にも良くマッチした画期的なボイストレーニング法「キリガヤ・メソッド」を構築しました。以下、このボイストレーニング「キリガヤ・メソッド」の効果、特徴をいくつかの例をピックアップして紹介しましよう。

よくあるご質問

Q. レコーディング・スタジオではうまく歌えるのにステージではヴォーカルのモニター・バランスが気になってうまく歌えない。

A. この症状は比較的ソフトな、心地よいブレッシーな声質をもったシンガーによくみられます。原因は声帯の閉じ方が甘いために、声のもとになる声帯の振動が効率よく行われず、十分な響きが得られないことにあります。ステージ上で自分自身の声がよく聞き取れないと無意識のうちに声量を上げようとして喉に力を入れてしまいます。この力が声帯の繊細なコントロールを妨げてしまうのです。キリガヤ・メソッドでは「声帯のリラックスを維持しながら確実に声帯を閉じる」というトレーニングをすることで、ヴォーカルのニュアンスを変えることなくステージでも通用するエッジのきいた良く通る声が出せるようになります。

Q. 4〜5曲歌うと声がかれてしまい、フルサイズのライブが出来ない。

A. これはシャウト系のロック等を歌うシンガーによくある症状で、力まかせに気合いでシャウトしても声帯を痛めるだけなのです。このような歌い方を続けていると99%声帯ポリープ等による発声障害をおこします。でも声帯に負担をかけず効率よく大きな声を出した結果の歪んだ声、つまり正しい発声でのシャウトならば2時間でも3時間でも歌うことが可能になります。

Q. 声域(音域)を広げたい。

A. 通常、高音域は俗に「ファルセット」と呼ばれる声になりますが、レッスンによってエッジの利いた高い声「ヘッド・ボイス」を出すことができるようになります。ヘッド・ボイスとはマライヤ・キャリーやホイットニー・ヒューストンの高い声をイメージして頂けばわかりやすいと思います。また、ヘッドボイスを習得することによって、的確なブレス・コントロールと声帯を絞めつけるのではなく、声帯を閉じてブレスを無駄なく声帯の振動、つまり声に変換することが出来るようになるので、中音から低音にかけてもパワーのある声が出るようになります。

Q. ピッチ(音程)を良くしたい。

A. ピッチや音圧の不安定はダイアフラム(横隔膜)のコンプレッションが不十分な場合におこります。的確なダイアフラムのコンプレッションは安定したブレスと正確な声帯のコントロールを得るために不可欠なものです。独自の腹式呼吸法をエクササイズすることで解決します。

トレーニングの基本プログラム

  • ○ ウォーミング・アップ & ストレッチ
    • 関節のリラックス 〜 ハイオイド・マッスルのリラックス
  • ○ ブレスのコントロール(腹式呼吸法)
    • (a)ショートブレス、(b)ロングブレス、(c)リップ・トゥリル(ブレスの安定)
  • ○ 声帯のコントロール
    • (a) リップ・トゥリル(理想的な声帯の振動シミュレーション)
    • (b) Nei発声 (ベンディングによる発声感覚)
      • 声帯をリラックスさせながらしっかり閉じるエクササイズ
        • 声帯を十分に振動させて 音圧のアップ&声にエッジをつけるエクササイズ
    • (c) ダイアフラムのコンプレッション
      • 喉骨を上げずに音程をコントロールするエクササイズ
  • ○ ヘッド・ボイス
    • (a) メゾボーチェ 〜 リラックス・ボイス 〜
    • (b) ポルタメント for パサージョ
  • ○ 日本語の問題点を克服するレッスン
    • (a) 母音の発声、(b) 子音の発声
      • 母音を確実に発声して五十音すべてを響かせるエクササイズ