ボイトレTips #003 ♪ 横隔膜のコンプレッションって?

みなさんは「お腹に力を入れて!」と言われたらどんな動作をしますか?おそらくボクシングのポーズのように肘を曲げて腕を身体に引き寄せ、膝も少しまげてバランスを取るようにして身体全体に力を入れるようにするでしょう。この状態で声を出してみてください。むしろ声は出づらくなってしまいますね。発声のための横隔膜のコンプレッションは単にお腹に力を入れるという感覚とは違うのです。意外と思われるかも知れませんが、正しい横隔膜のコンプレッション感覚を修得する重要なポイントは「膝」なのです。膝を曲げずに身体をリラックスしたままお辞儀をするように上体を前に20~30度倒してみましょう。倒れないように身体のバランスをとるために腹筋と背筋に力が入りますね。この感覚が正しい横隔膜のコンプレッション感覚です。あきらかに先ほどの「お腹に力を入れて!」の感覚とは違いますね。腹筋と背筋以外はリラックスした状態です。では、試しに膝を少し曲げて同じことをしてみましょう。前傾により体重移動した上体のバランスを膝を曲げることで調整してしまうので先ほどのように腹筋と背筋に力が入りませんね。したがって膝を曲げずに軽くおじぎをするように上体を前に倒すポーズが的確な横隔膜のコンプレッションを行うポイントになります。