ボイトレTips #011 ♪ 「Nei」は魔法の言葉

キリガヤ・メソッドではNeiという言葉で発声練習をしますが、「何故、Neiなの?」という疑問を持たれた方もいることと思います。今回はこのNeiで発声する意味をお話します。声を発する場合、まず声帯が閉じることが必要ですね。つぎに閉じた声帯を締めつけずに閉じた状態をキープすることが出来るとロングトーンが出せるようになります。ロングトーンが安定的に出せるようになってはじめて歌が歌えるようになります。ということで、発声における動作はまず声帯を閉じることですが、Neiというのは声帯が自然に閉じる言葉なので声を出しやすいのです。その理由のひとつはタンギングにあります。タンギングをすると声帯が閉じます。Neiはタンギングをしないと発音出来ない言葉なんですね。試しにタンギングしないでNeiと言ってみましょう。Neiにはなりませんね。そしてもうひとつの理由が二重母音です。二重母音とはひとつの音節の中にふたつの母音がある状態をいいます。たとえばMayは「メィ」となり二重母音ですが、姪は「め・い」と発音するので母音接続というもので二重母音ではありません。この二重母音の言葉は声帯を理想的に閉じるのです。この二つの理由によりNeiは正しい声帯のコントロールを理解するために最適なのです。歌いにくいフレーズは一度、歌詞を全部Neiに置き換えて歌ってみましょう。とても歌いやすくなるはずです。そしてそのNei発声のイメージのまま歌詞に戻して歌います。それを繰り返すことで苦手な箇所を克服しましょう。