ボイトレTips #001 ♪ 鼻呼吸と口呼吸

「鼻から吸うと胸式呼吸で口から吸うと腹式呼吸になる」というのは厳密に言えば間違い。 鼻から吸うと胸式呼吸になりやすく、口から吸うと腹式呼吸になりやすいというのが正解。腹式呼吸をマスターした人は鼻から吸っても腹式呼吸が出来るし、ラジオ体操の深呼吸のように胸を広げての吸気は鼻で吸っても口で吸っても胸式呼吸になります。さて腹式呼吸がなぜ発声に不可欠なのか?それは腹式呼吸は横隔膜を使って行うものだからです。キリガヤ・メソッドにおける声帯のコントロールはすべて横隔膜のコンプレッション感覚で行います。胸式呼吸は横隔膜のコンプレッションを使わずに胸を広げ、そして閉じて呼吸をします。したがって横隔膜のコンプレッションが使えない胸式呼吸での発声は直接のど骨に力を入れて声をコントロールすることになります。この力が声帯の振動を押さえつけてしまうため絞り出したような喉声と呼ばれる声になってしまうのです。この喉声と呼ばれる発声を続けると声帯に負担がかかり、やがて声帯ポリープなどの発声障害に繋がります。