ボイトレTips #006 ♪ 声帯を「閉じる」と「締めつける」はどう違うの?

声帯は喉骨の中にあり呼吸時には開き、発声時には閉じます。
声のしくみを簡単に説明すると閉じられた声帯のわずかな隙間から息を吐き出すときにリード楽器のように声帯が振動して音を発します。つまり声帯は閉じていないと発声できないということです。でも閉じるときに声帯の振動を妨害するような力がかかってしまっては豊かな声は出ません。
喉声になってしまうのは声を出そうとして声帯を閉じるときに、声帯の振動を妨げる有害な力も同時にかかってしまうことが原因です。つまり声帯を締めつけて振動を妨げてしまうということです。
ゆたかな発声のために、声帯は「締めつける」ことなく「閉じる」必要があるのです。
しかし残念なことに日本語を話す時の発声は締めつけることで声帯を閉じます。そのため声が持続しないのですが、私たちは声が持続しないことできちんとした日本語を話していると感じるのでやっかいなのです。
声の持続しない歌唱はありえませんから、とくに日本語の場合は会話時と歌唱時は声帯の使い方が違って来ます。「台詞は歌うように、歌は語るように」という言葉がありますが、これは情感の話であって物理的な発声においては「語るように」発声したら歌えないのです。
声帯を締めつけることなく確実に閉じる、という「歌うための発声で、語るように歌う」を目指しましょう。