漢字にすると「当てる」ということになるのだろうけど、的確に閉じられた声帯に呼気が当たって発声している状態を言います。
アテることによって・・・
① 無駄な息漏れがなくなる。
② 声帯を閉じる力が不要になる。
その結果、声帯の振動が豊かになる。
アテることによってほとんどの場合、声帯の振動を妨げる有害な喉への力が抜けて良い発声になりますが、声をアテつつ喉に力を入れ続けることも可能なので、特に熱唱型の人はアテることによって不要になった喉への力がちゃんと抜けているかどうかを確認しましょう。
それでは「アテる」という感覚を体感する方法をレクチャーしましょう。まず「ハッ!」と言って喉で息を止めます。このとき声帯が閉じて息が止まっています。そのまま声帯をゆるめずに「アー!」と発声します。声の出始めに喉にひっかかるような感覚がありますが、これがもっとも「アタッテいる」状態です。的確に閉じられた声帯に呼気を当てて効率の良い発声をしましょう。
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喉声(のどごえ)とは声帯が締めつけられた状態で発する声のことです。一般的に言われる「お腹から出した声」の対極にある声ですが、喉に力を入れて発声すれば誰でも喉声になってしまいます。この喉声状態のとき、声帯は喉にかかる力によって締めつけられて十分な振動が出来ません。さらに締めつけられた状態で無理矢理に振動させるので声帯が傷ついてしまうため、喉声で歌っていると「喉が痛い」「声が枯れる」などの症状が出てきます。さらにこの状態で声を出し続けると声帯ポリープなどによる発声障害を起こすことにつながります。歌っているとき、喉が痛くなったり、声が枯れてしまうようなら、それは喉声で歌っている証拠なので気をつけましょう。 ではどうやって喉声を治したらいいのでしょうか?要するに声帯に無駄な力をかけずに締めつけない発声をすれば良いのですが、ただ力を抜いても声帯の閉じ方が甘くなってしまい、なかなかうまく声になりません。そこで「声をアテる」という感覚とテクニックを身につけることが必要になります。
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みなさんは「お腹に力を入れて!」と言われたらどんな動作をしますか?おそらくボクシングのポーズのように肘を曲げて腕を身体に引き寄せ、膝も少しまげてバランスを取るようにして身体全体に力を入れるようにするでしょう。この状態で声を出してみてください。むしろ声は出づらくなってしまいますね。発声のための横隔膜のコンプレッションは単にお腹に力を入れるという感覚とは違うのです。意外と思われるかも知れませんが、正しい横隔膜のコンプレッション感覚を修得する重要なポイントは「膝」なのです。膝を曲げずに身体をリラックスしたままお辞儀をするように上体を前に20~30度倒してみましょう。倒れないように身体のバランスをとるために腹筋と背筋に力が入りますね。この感覚が正しい横隔膜のコンプレッション感覚です。あきらかに先ほどの「お腹に力を入れて!」の感覚とは違いますね。腹筋と背筋以外はリラックスした状態です。では、試しに膝を少し曲げて同じことをしてみましょう。前傾により体重移動した上体のバランスを膝を曲げることで調整してしまうので先ほどのように腹筋と背筋に力が入りませんね。したがって膝を曲げずに軽くおじぎをするように上体を前に倒すポーズが的確な横隔膜のコンプレッションを行うポイントになります。
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声は声帯の振動によって生まれます。声帯は喉骨の中にあります。だから声はお腹じゃなく喉から発せられます。一般的に歌の先生が「お腹から声を出しなさい」というのは、横隔膜に的確なコンプレッションをかけると声が安定するという経験的感覚からそういった表現をするのだと思われます。しかし発声のための的確な横隔膜のコンプレッションはただ単に腹筋に力を入れても叶わないのです。むしろ腹筋を意識するあまり身体全体に力が入ってしまって喉がリラックスできずに喉声といわれる発声状態になっている例を多くみかけます。さらに声の出し始めから腹筋に力を入れていると、発声の大切な動作である声帯を閉じるための横隔膜の動きを邪魔するので、むしろ声が出にくくなってしまうのです。お腹から声を出すためには、やみくもに腹筋に力を入れるのではなく、的確なタイミングで横隔膜のコンプレッションを行う必要があります。
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「鼻から吸うと胸式呼吸で口から吸うと腹式呼吸になる」というのは厳密に言えば間違い。 鼻から吸うと胸式呼吸になりやすく、口から吸うと腹式呼吸になりやすいというのが正解。腹式呼吸をマスターした人は鼻から吸っても腹式呼吸が出来るし、ラジオ体操の深呼吸のように胸を広げての吸気は鼻で吸っても口で吸っても胸式呼吸になります。さて腹式呼吸がなぜ発声に不可欠なのか?それは腹式呼吸は横隔膜を使って行うものだからです。キリガヤ・メソッドにおける声帯のコントロールはすべて横隔膜のコンプレッション感覚で行います。胸式呼吸は横隔膜のコンプレッションを使わずに胸を広げ、そして閉じて呼吸をします。したがって横隔膜のコンプレッションが使えない胸式呼吸での発声は直接のど骨に力を入れて声をコントロールすることになります。この力が声帯の振動を押さえつけてしまうため絞り出したような喉声と呼ばれる声になってしまうのです。この喉声と呼ばれる発声を続けると声帯に負担がかかり、やがて声帯ポリープなどの発声障害に繋がります。
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